研究課題/領域番号 |
24730400
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研究機関 | 京都産業大学 |
研究代表者 |
近藤 隆史 京都産業大学, 経営学部, 教授 (60336146)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | マネジメント・コントロール / 管理会計 / イネーブリング・コントロール |
研究実績の概要 |
本年度においては,これまで蓄積した調査の調査および理論・文献研究の一部成果報告を中心に研究活動を行ってきた。まずは,公立病院での管理会計(マネジメント・コントロール)の変革に関する調査内容をもとに,イネーブリング・コントロールの概念を分析枠組みとして,Management Control Systems as Enabling Use in Professional Bureaucracy: Evidence from Management Reform of a Public Hospitalのタイトルで,2014/5月に開催された国際学会European Accounting Association 37th Annual Congressにおいて学会報告を行った。この報告をもとに,国際ジャーナルへの投稿用の論文の作成につなげている。論点は,マネジャーがいかにして,医師のマネジメントへのコミットメントを引き出し,経営改革をすすめようとするのかについて,マネジメント・コントロールの観点から考察を行っている。また,2015年3月には,国内学会誌「管理会計学」にて論文「顧客満足向上を通じた財務成果獲得のためのマネジメントに関する研究」(査読付き)が公刊がなされた。複数のマネジメントコントロールがどのように形成されて確実な顧客満足の向上と財務成果の獲得に結びついているのか,ケース研究より明らかにされている。加えて,リサーチノートとしての位置づけであるが,国内学会誌「イネーブリング概念を用いた管理会計研究の動向」(2015年vol.7/No.2)が近刊される。本課題において重要なイネーブリング概念の網羅的なレビュー論文である。
3年目において,これまでの蓄積をもとに,これら相互に関連する成果を出せた一方で,さらなる分析枠組みの精緻化と定量研究のための測定用具の開発を含む調査計画も進行させている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
全体としては,概ね順調に進展しているといえる。ただし,理論的・定性的な研究面では,学会報告・論文の公刊と一定の成果を出せた一方で,定量調査の進行はやや遅れている。そのため,定量調査に必要な調査デザイン,アイデアの明確化につては,これまで以上に一層の努力を必要であると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
理論的な枠組みおよび定性研究・文献研究については,成果も出しつつ,具体的に固まりつつある。今後の研究の推進方策については,定量調査(質問票調査)の進行にできる限り多くの努力を投入する考えでいる。その際,様々な可能性(質問票調査だけでなく,特定の被験者からデータを得る為の調査会社の利用)を検討しながら,また,定量分析を得意とする研究者からアドバイスもうけつつ,適切に進めたいと考えている。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初予定していた定性研究の為のヒアリング調査において今年度の調整がつかず,次年度に改めてスケジュール調整するため。
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次年度使用額の使用計画 |
先方とのスケジュール調整を再度行い,ヒアリング調査を2回程度(九州地方)実施する予定である。
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