研究課題/領域番号 |
24730407
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研究機関 | 福岡大学 |
研究代表者 |
飛田 努 福岡大学, 商学部, 准教授 (60435154)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 管理会計 / 中小企業 / マネジメント・コントロール |
研究実績の概要 |
今年度の当研究課題に関連する業績は分担執筆1冊,論文2本,学会報告2本が発表され,現在投稿しすでに掲載が決まっている論文が他に2本ある。今年度の研究の達成目標として,これまでの中小企業の管理会計実務に関連する研究成果の取りまとめを行うことを掲げたが,まだまだ多くの課題が残されていると考えている。しかし,論文執筆や学会報告の機会を通じて,多くの研究者から建設的なコメントを頂くことができ,今後の研究を行う上での課題が明確になった しかし,中小企業の管理会計実務を明らかにするためにはまだまだインタビュー調査を中心とした質的調査の実施,理論面ではその体系化を図るための文献研究が必要となってくる。とりわけ,本研究課題の中心に据えているマネジメント・コントロール・システム研究においては論者において何を対象に議論しているかが異なるといった側面があるので,理論面での詳細な検討が必要になるであろう。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
これまでの3年間で学会報告5回,論文執筆(投稿中含む)6本であり,多くの機会で研究報告を行う機会を得ている。また,日本簿記学会簿記実務研究部会における本研究課題に関連したテーマ(業種別簿記実務に関連する研究または農業法人における簿記実務の研究)からも多くの知見を得ている。こうしたことは本研究課題が当初想定した以上の知見を得ることにつながっているが,未だ研究成果として十分に体系化されているとは言い難いので,現時点においては「おおむね順調に進展している」とする。
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究課題としては,理論的体系化と実態調査の継続である。特に後者については,日本簿記学会簿記実務研究部会において部会長を拝命したこともあり,今後中小企業の原価計算・工業簿記実務を中心にインタビュー調査を継続して行うことが決まっている。そのため,理論的体系化がさらに遅れる可能性はあるが,実践に関わる豊かな知見を得ることにより,これをいかに理論に反映させるかを考えることにつながると考えている。さらなる調査を行うことにより,中小企業の管理会計実務に関する研究の1つの形として作り上げていくこととしたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究を遂行するために必要な備品等は十分に整えられており,当研究課題に則した調査・学会出張も十分な回数を行うことができなかったため,当初予定していた研究最終年度であったものの,次年度以降にさらなる研究を行うため,使用額が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
この使用額は,すでに調査が決定している,あるいは学会報告を行うことが決定している出張への旅費として使用することにする。
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