本研究では共有林の部外者利用のフィールドワークを通じて異質な人々が協力するために必要な条件を考察した。(1)聞き取り調査の結果、まとまりが良すぎる集落やまとまりが悪い集落では部外者に対して寛容な関係が築きづらく、適度な中間集団がある集落において部外者を積極的に受け入れることが分かった。(2)この結果を理論化するために個人が自分の利得を最大化するためにネットワークを自律的に組み直すシミュレーションモデルで検証したところ、異質な人々が一つの大集団を形成するためには適切な数のリーダーが必要であることが分かった。
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