研究課題/領域番号 |
24730415
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研究種目 |
若手研究(B)
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
青木 聡子 名古屋大学, 環境学研究科, 講師 (80431485)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 社会運動 / 環境 / 地域社会 |
研究概要 |
平成24年度は、本調査の前の事前調査としておもにドイツでフィールドワークをおこなった。フィールドワークは2度にわたり、具体的には以下のとおりである。 まず、フライブルクおよびその周辺地域において、ヴィール原発反対運動の「その後」について聞き取り調査と資料収集を進めた。聞き取り調査のおもな対象者は、行政担当者および当時の運動関係者である。この調査の結果、原子力発電所建設計画が中止になった後のヴィール村の財政状況や産業構造の変化や、反対運動終了後に展開されてきた再生エネルギー普及活動や「闘いの記憶」継承のための活動について経緯や現状についてデータを得ることができた。 次に、フィリップスブルクおよびビブリスにおいて、原子力発電所稼働停止後の地域社会の状況について聞き取り調査と資料収集をおこなった。フィリップスブルクでは自治体の行政担当者、ビブリスでは自治体の行政担当者および原発の事業主体である電力会社の関係者が聞き取り調査の対象であった。いずれの自治体でも、原発の稼働停止後は自治体の財政状況が急激に悪化していることや、働き口の喪失などの直接的な影響だけでなく副次的な影響も生じ始めているなど、現状を把握することができた。さらに、そうした状況に対して原発立地自治体間で形成されているネットワークや、各自治体が独自におこなっている対応についても調査を進めた。特に、ビブリスでは、将来構想のためのプロジェクトが行政主導で立ちあがっており、その一環として全住民を対象としたアンケート調査や市民フォーラム(討論会)が実施されていることから、それらについても資料の収集と分析を進めている。 本年度の成果の一部はすでに日本ドイツ学会シンポジウムや研究会で報告したほか、平成25年度におこなわれる環境社会学会大会企画セッションおよび日本ドイツ学会フォーラムにて報告予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成24年度は、当初の予定通り事前調査を進めることができた。その際に、原子力施設の建設が中止された地域に加えて、原発が停止した地域も対象に加えて調査を進めた。 ドイツでは、ヴィール、フィリップスブルク、ビブリスなどで行政関係者への聞き取り調査やかつての反対運動関係者に聞き取り調査をおこない、ヴァッカースドルフでは反対運動終了後の企業誘致に関する当時の新聞記事など文書資料の収集をおこなった。これらにより、次年度以降の本格的な調査の目処が立ち、実際の調査スケジュールが定まりつつある。 日本のフィールドに関しては、芦浜原発計画跡地について文献調査を進めたほか、現地調査を準備し、平成25年5月に現地で視察および聞き取り調査をする予定を確定させた。 さらに、平成24年度の調査結果をもとに、環境社会学会(6月、12月)および日本ドイツ学会(6月)で報告をおこない次年度以降の調査研究についてコメントをもらう予定である。
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今後の研究の推進方策 |
次年度以降、ドイツおよび日本で本調査を進める。 ドイツの3事例に関して、建設跡地がそれぞれのかたちで開発、活用されるに至った経緯について、当時の行政担当者、地元政治家、誘致された諸企業の関係者、住民運動団体メンバーなどに詳細な聞き取り調査をおこなう。その際に、どの点において、これら関係者の利害や思惑が一致したのかに特に焦点を当てる。 加えて、それぞれの地域の住民を対象として、現時点で、運動当時の計画「推進派」「反対派」をどの程度意識しているのか、それは特に日常生活の度の局面で強く現れるのかという点と、原発関連施設に代わってそれぞれの地域にもたらされた産業(オーバーラインについては跡地に何も誘致されなかったこと)に対してどのような評価をしているかを明らかにするための面接形式のアンケート調査をおこなう。 日本の事例、についても芦浜原発反対運動を中心に、当該地域の「その後」についても並行して調査を進める。具体的には反対運動関係者(漁魚関係者含む)、行政担当者、町議会議員、中部電力関係者への聞き取り調査を予定している。 調査研究の成果は、学会等で報告するほか『ドイツ研究』『環境社会学研究』などの学会誌に論文として発表する。
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次年度の研究費の使用計画 |
該当なし
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