本研究は、グローバル化にともなう消費社会が展開されているアジアにおいて、アジア系女性をめぐる人種認識・表象がどのように再編成されているのかを考察するものである。具体的には、人びとの日常生活における他者や自己にかんする人種認識のプロセスに着目することで、グローバル化にともなう「アジア系女性」内部の差異化と序列化がいかに構築されているのかを考察する。 本年度は、前年度におけるシンガポールでの現地調査で生じた新たな知見をより深めるために調査計画を延長し、補充調査を実施した。現地ではシンガポール女性にインタビューを中心に、有益なデータを得ることができた。また日本国内におけるフィリピン女性の研究については、学会シンポジウムで招待報告を行うとともに、複数の論文を執筆するなど研究成果の発表に努めた。
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