女性移住者の社会的・経済的地位は、①「アフリカ人」・「黒人」認識のズレ、②政府・社会による「女性移住者=労働者」という位置づけ、③社会編入支援の枠組みにより変容しつつある。1980年代以降「身近なサービス」推進のため、職業訓練と社会的支援をセットにした失業者の社会編入が進んでいる。女性移住者団体はこうした事業体とも連携する。つまり、移民統合・失業者支援という両者の目的が交差する対象に位置づけられる。 公共空間においてはフランス社会側による「アフリカ人」、女性移住者らによる「黒人」という二つの表象が地位を措定している。彼女たちが自らを「黒人」と呼ぶのは「白人」集団との相互作用の場においてである。
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