本研究では、ジーンズ産業における若年層のキャリア形成と地域間ネットワークの課題を明らかにする。具体的には、①三備地区(岡山県、広島県)におけるメーカー側の製造・販売ネットワークと人材育成の分析、②若年層の就業意識と学校側カリキュラムである。三備地区の繊維産業集積における自社ブランドメーカーは、縫製加工業者や洗い加工業者と密接な取引関係を結び、産地外の織布メーカーとも取引を活発化させている。学生服メーカーは、短期需要に即応するため、国内立地を選択している。以上の事情は、他地域の産地型産業集積にとっても示唆に富む。
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