研究概要 |
本研究の目的は、地域に根差した内発的発展としての再生可能エネルギー事業の方策と、「フクシマ」後の地域エネルギー政策を実証的に研究することである。その際、再生可能エネルギーの「社会的受容性」という観点から、外発型の開発に偏りがちの再生可能エネルギー事業が内発的発展の契機として機能するための条件、再生可能エネルギー技術の普及に伴う金銭的・心理的・環境的負荷を地域社会が受容する条件を明らかにし、分配正義と手続き正義の問題を解決する社会的仕組みを考案することを企図している。 本年度の業績としては、上記の問題関心を踏まえて、青森県鰺ヶ沢町における市民風車と地域の再生可能エネルギー(バイオマス)の生産、消費のサイクルと過疎地域のまちづくり、市民参加の関連を議論した論考(西城戸, 2012, 「青森県鰺ヶ沢町にみる過疎と環境問題」小島聡・西城戸誠編,『フィールドから考える地域環境』ミネルヴァ書房)と、地域に根差した内発的発展としての再生可能エネルギー事業の方向性について論じた学会報告(西城戸誠, 「ポスト開発主義としての再生可能エネルギー事業のための環境社会学」第45回環境社会学会大会)、日本における再生可能エネルギーと社会的受容性の関連についての学会報告(Yasushi MARUYAMA, Makoto NISHIKIDO, Shota FURUYA, Memi MOTOSU, Seiich Ogata, 2012, “Social acceptance of Wind Energy and Social Experiment of Community Power in Japan”, 11th World Wind Energy Conference)がある。
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次年度の研究費の使用計画 |
物品費(資料・書籍、消耗品)\150,000 国内外の旅費(調査) \450,000 謝金(謝礼、謝金) \200,000 その他(翻訳、印刷)\300,000
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