研究課題/領域番号 |
24730442
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研究種目 |
若手研究(B)
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研究機関 | 明治学院大学 |
研究代表者 |
木村 真希子 明治学院大学, 国際平和研究所, 研究員 (90468835)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | エスニシティ / 南アジア / 社会運動 / グローバリゼーション / インド北東部 |
研究概要 |
今年度は計画通り、北東部のエスニック運動/紛争の概観を掴むため、2012年8~9月および2013年2~3月のインド出張で資料収集と大学研究者や運動の指導層に対する聞き取りを実施した。まず、首都のデリー、コルカタ、アッサム州グワハテイにおいて先行研究の収集と大学関係者や運動指導層の聞き取りに先立つ情報収集を行った。アッサム州のグワハティ大学やタタ社会科学研究所、マニプル大学などの研究者との聞き取りののち、アッサム州でボド運動関係者、およびナガランド州とマニプル州でナガ運動関係者の聞き取りを実施した。 これらの聞き取りが比較的うまく行ったため、ボド運動に関しては現地で民族間衝突に関する予備調査を行い、またマニプル州でもナガ民族とクキ民族間の衝突に関する予備調査や現状のフォローを行うなど、本来の計画では二年次に行う予定について部分的に知見を得ることができた。また、インド北東部に隣接するミャンマー/ビルマのチン丘陵の民族デーを訪れる機会を得、自治運動を担い手であったチン民族戦線やチン民族出身の研究者にインタビューする機会を得た。チン民族運動は北東部のミゾ独立運動と隣接し、またナガ独立運動とも関連する運動であり、さまざまな側面でどのようにこの地域で影響し合っていたのかを知るうえで非常に重要な知見を得た。 今年度は、NIHUプログラム東京外国語大学現代インド研究センターの若手研究者セミナー、国際政治学会、シンポジウム「アジアの市民社会と国家の間― 民主主義は有効か」において、それぞれボド運動、マニプル州における紛争対策と人権侵害に抵抗する市民運動、及びアッサム州における民族紛争について報告を行った。また、インドのジャワーハルラル・ネルー大学の北東部研究プログラムのワークショップにおいて、アッサム州で紛争の被害に遭うムスリムの状況について報告するなど、国内外で研究成果報告の機会を得た。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
研究計画書で示した課題(1)インド北東部におけるエスニック運動/紛争の概観と特徴について、予定通り資料収集と聞き取りを行い、分析に着手した。また、二年次、三年次に行う予定の課題(2)、課題(3)についても部分的に予備調査を行い、今後の見通しを得ることができたため。
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今後の研究の推進方策 |
次年度も計画通り、課題(2)の民族間衝突とインド政府の北東部紛争対策を検討するため、現地調査を中心に研究を行う。また、課題(1)をまとめた研究報告を発表することも検討している。
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次年度の研究費の使用計画 |
次年度も引き続き現地調査を遂行し、課題(2)の民族間衝突とインド政府の北東部紛争対策について集中的に検討を行うため、現地調査・資料収集を中心に研究費を使用する。
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