研究課題/領域番号 |
24730442
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研究機関 | 津田塾大学 |
研究代表者 |
木村 真希子 津田塾大学, 学芸学部, 准教授 (90468835)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | エスニシティ / 南アジア / 社会運動 / グローバリゼーション / インド北東部 |
研究実績の概要 |
今年度はアッサム州と首都デリーにおける現地調査と文献収集を実施することができ、昨年度予定していた課題(3)の現地調査を終え、また課題(4)の資料収集を進めることができた。また、国際会議を含めた成果発表を行った。 アッサム州における現地調査では、ボド民族運動の中心地を訪問し、運動の指導者やNGO関係者へのインタビュー、また出版された手記等を収集することができた。また、ボドランド地域では2014年にも紛争が起きたため、部分的に課題(2)の追加調査も実施した。北東部では停戦合意後や協定締結後も暴力が継続する事例が多く、ボドランド地域はその代表例として本研究で詳細な考察を行う予定である。そのほか、州都グワハティにおいて主に研究者からの最近の動向のヒアリングを行い、首都デリーでは資料収集を行った。 今年度は、7月にInternational Convention of Asia Scholars の第9回大会(ICAS9)においてマニプル州における軍事化とそれに抵抗する市民や女性団体の国境を超える運動について発表を行った。また、11月に「少数民族の「多様なやりとり」にみる現在の「ゾミア」地域–異なる政治経済体制下での比較研究会(京都大学東南アジア研究所共同研究プロジェクト)」において、紛争影響地であるボドランドや隣接地域における不法居住の問題について報告した。さらに、1月には「現代南アジアにおける法と権利の動態をめぐる研究―国制・権利・法秩序」科研研究会において紛争の影響を受けるムスリムの移住の背景について、河岸浸食の問題を考察した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
今年度は昨年度予定していた課題(3)の現地調査を実施することができた。また、文献収集と成果報告等は予定通り進行している。当初、今年度実施する予定だった課題(4)の現地調査については実施することができなかった。
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今後の研究の推進方策 |
本科研プロジェクトは2016年度までの予定だったが、2014年度に産前・産後休業と育児休業を取得したため予定の現地調査が遂行できず、研究機関を1年間延長することになった。次年度は課題(4)についての現地調査と、成果報告を行う予定である。特に成果報告については、12月にネパールで開催されるAsian Borderland Research Networkの第5回大会においてLiving in a Zone of Endless Conflict: The Transformation of Border Areas in Burma, Northeast India and Bangladeshというタイトルのパネルを企画し、パネル責任者と報告者を務める予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
2014年度に産前産後休暇・育児休暇を取得したため、現地調査が実施できず、2016年度に実施する必良が生じたため。
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次年度使用額の使用計画 |
インドにおける現地調査およびネパールにおける成果報告のための学会出張費として使用予定。
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