研究課題
今年度は首都デリーにおける文献調査、そしてアッサム州とマニプル州、ナガランド州における現地調査を実施し、課題(4)の現地調査を終えた。また、本研究の締めくくりとして、国際学会において隣接する他地域の研究者と共同でパネルを開催し、研究成果の発表を行った。マニプル州における現地調査では、課題(4)経済のグローバル化の影響として、現地で反対運動の起きたマピテル・ダムの影響により水没した村を訪問した。マニプル州では同様に反対運動の起きているダム建設計画が数か所あり、多くの地域はマイノリティの住む山間地である。マピテル・ダムの反対運動はエスニックな紛争と直接連動してはいないが、今後同様のケースが度重なると、新たな紛争の火種となる可能性が存在することを確認した。ナガランド州では、独立運動の指導者や派閥間の調整に尽力してきた個人、組織の代表者等にインタビューを行った。現在、最終的な和平協定を目指した枠組み協定の最終調整段階にあり、派閥間の和解が今後の課題であることが確認できた。アッサム州では、ボドランド運動の影響で起きた紛争に関して課題(2)の追加調査を実施した。成果発表として、Asian Borderland Research Networkの第5回大会においてパネルを企画し、インド北東部、バングラデシュのチッタゴン丘陵、ミャンマーと中国の国境地域の紛争研究者とともに成果発表を行うことができた。隣接する地域の状況と比較して北東部の紛争を位置づけることができ、5年間の研究成果発表としてふさわしいものとなった。また、インドのJawaharlal Nehru UniversityやIndian Institute of Technology (Guwahati Campus)の招へいで研究発表を行い、現地の研究者から貴重なフィードバックを得ることができた。
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国際関係学研究
巻: 第43号 ページ: 47-58