本科研の研究成果は、インド北東部の紛争をグローバルな文脈に位置付けることにより、エスニック紛争の増加や民族間の衝突(民族浄化)といった1980年代以降の変化がこの地域特有の現象ではなく、他地域にもみられる現象であるということを示したことにある。特に民族間衝突は旧ユーゴやルワンダと同様の事例が多数発生し、多くの国内避難民が生じた。90年代後半より各地で停戦や和平協定が締結されたが、紛争が平和的に解決されたものは少ない。最も古くから続くナガ独立運動の担い手である民族組織との包括的な和平協定が交渉中であり、この結果が今後のこの地域の趨勢を左右する可能性があると結論づけた。
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