本研究は、人々が代替療法を受け入れる際の社会的な条件を探るものである。代替療法は科学的な効果が認められているとは限らず、医療や科学の専門家から批判を受けることも多いが、多くの人によって利用されている。医師や専門家による批判をよそに代替療法が支持される背景には、科学的・近代的なものを有害とみなし、「自然」なものをよいとする考え方の形式(言説)があること、またそれが多くの人に受け入れられていることが推測される。本研究では社会学的な視点と方法により、こうした言説が代替療法の実践とどのようにつながり、またそれが他の消費行動とどのようにつながっているかを明らかにする。
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