本研究の目的は、日本で社会福祉制度が創設される昭和20年代において、地方自治体での福祉行政の展開あたり、どのような議論がみられたのかを明らかにすることである。 次の諸点を明らかにしえた。第一に、五大市の一つである神戸市は、1950年に最はも早く福祉事務所を設置したが、GHQの突然の指令には困惑していた。なお、福祉事務所は、五大市、都道府県、及び市町村の三類型があった。第二に、新しく創設された社会福祉主事には多大な期待がかけられたことが看取できる。第三に、社会福祉主事と民生委員との関係については本音と建て前の議論が交錯していた。第四に、地方自治体側、及びGHQ側の史料の発掘は今後の課題である。
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