本研究は、幼老複合施設のなかでも学童保育施設と居住系老人福祉施設の組み合わせを研究対象とし、子どもと高齢者の自然発生交流を実現している先進事例について一般化可能な運営手法を導き出すことを試みた。国内の事例調査では、施設の複合は建物の形式にとどまっていることが多いことが分かったが、なかには子どもの交流対象を高齢者のみならず介護職員、住民ボランティアにまで拡大し、世代間交流および介護・福祉環境の体験、地域コミュニティーへの参画を意識して運営している取り組みも見られ、この先進事例について観察・ヒアリング調査を行い、ハード面およびソフト面から具体的な運営手法を明らかにした。
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