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2012 年度 実施状況報告書

地域包括ケアシステムにおける人材評価シートの開発に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 24730467
研究種目

若手研究(B)

研究機関静岡県立大学

研究代表者

東野 定律  静岡県立大学, 経営情報学部, 講師 (60419009)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワード地域包括ケア / 介護保険 / 人材評価
研究概要

本研究の目的は、「地域包括ケアシステムを担う福祉・介護人材の技術・連携活動能力の評価チェックリスト」を開発し、これを用いた調査を行うことによって、地域包括ケアシステムにおいて、対人援助サービスを提供する人材に求められる能力等を検討するための基礎資料を提供することにある。
この開発にあたっては、学識経験者、臨床現場の医療・保健・福祉・介護職員等の意見を踏まえ、必要に応じてすでに開発されている連携活動評価尺度を用いた調査結果やその結果から、地域包括ケアシステムを推進するために必要である内容を明らかにすることから、地域包括ケアシステムを担う人材を評価する評価項目の開発を行うこととしている。
具体的な「地域包括ケアシステムにおける人材評価シート」項目の選定方法については、既存の調査票やデータ分析によって設定された基礎項目から調査項目の選定を行うと同時に、地域包括ケアの中心的な役割を担う地域包括支援センターの地域におけるマネジメントの状況および運営上の問題点について、静岡県の地域包括ケアシステムを構築し推進しようとしている地域包括支援センターの担当者および県担当者などの意見を収集し、地域包括ケアシステムを運営する人材に必要な内容の検討を行った。
その結果、本年度は項目案として、「1.地域内の社会資源との情報共有」、「2.地域内の社会資源との業務協力」、「3.地域内の関係職種との交流」「4.地域包括ケアの管理業務」の4つの分野から構成される15項目の具体的な内容が挙げられ、今後これらの項目を用いた評価尺度の開発を行うこととした。
また、引き続き、静岡県の地域包括ケアシステムを構築し推進しようとしている地域包括支援センターの担当者および県担当者などの意見を収集し、地域包括ケアシステムを運営するために必要な人的課題などの分析を継続的に行っている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

平成24年度の研究実施計画の予定では、来年度以降に実施する予定である「地域包括ケアシステムにおける対人援助を担う人材の技能ならびに連携活動能力等の評価のためのチェックリスト」のための施行版を開発することである。
県内の地域包括支援センターの職員をはじめとする地域包括ケアを構成する専門家に対するいくつかのヒアリング調査、量的調査の内容を詳細に分析することから、より高いエビデンスによって裏付けられた項目をベースとした、福祉・介護の技能や連携活動能力を評価するための項目内容が得られたと考えられ、これに関しては、おおむね予定通りの成果を得ている。
項目の内容については、平成25年度の調査実施直前まで検討を行うことを予定しており、さらなる統計的・質的な分析を基にして、入所施設・および訪問・在宅系介護事業者における対人援助サービス提供人材が有するべき地域連携の内容について検討し、評価項目を吟味していく予定である。
また、静岡県の地域包括ケアシステムを構築し推進しようとしている地域包括支援センターの担当者および県担当者などの意見を収集した結果、地域包括ケアを推進するためには、その地域で発生している問題に関しての課題解決能力が構成員に必要であることと、その解決に関するプロセスが明確であるという前提があることが分かりこれらの内容を評価することができるように、引き続き地域包括ケアシステムを運営するために必要な人的課題などを分析していく。
原案の作成はほぼ完成しているが、本調査前にプレ調査を予定しており、その結果をまとめ、チェックリストの現場での利便性について検証することを予定している。さらに、この検証されたチェックリストを用いた本格的な調査を実施し、その際に検者間妥当性や構成概念妥当性についての精査を行う予定である。

今後の研究の推進方策

平成25年度の研究実施計画としては、「入所施設・在宅事業所における介護技術の実態把握と人材評価シートの開発」として、前年度、項目案として作成した15項目に加え、施設や介護職員の属性などを加えた、評価シートを作成する。また、この評価シートを用いた実態把握調査を介護保険施設・在宅系事業所で行い、施設・在宅介護に従事する介護職員に関して、勤続年数、職種等の属性と技術・地域連携能力の関係、介護技術の関係性に関して、分析を行っていく予定である。
調査対象施設の選定は、①施設サービス:特別養護老人ホーム、介護老人保健施設②居宅サービス:訪問サービス、通所サービス、グループホーム(認知症対応)の事業所・施設からそれぞれ数か所対象を選定し、同意が得られた施設において調査を実施する予定である。
なお、各施設のすべての職員の人材評価シートのデータは、すべて「できる」技能について、その技能の程度で評価できるものであるが、この技能の程度が示された結果と同時にケアを提供されたすべての高齢者の状態データを収集することを予定している。
現状の分析案としては、評価者の属性と評価結果との関連性を分析し、介護職員間の評価結果のばらつきや、偏りの程度を確認し、評価についての妥当性の検証を行う。
また、これらの評価結果については、施設区分・勤続年数、職種等の属性と技術・地域連携能力などの関連要因との関係性について分析を行い、評価項目の信頼性についての検証を行う予定している。さらに、引き続き、静岡県の地域包括ケアシステムを構築し推進しようとしている地域包括支援センターの担当者および県担当者などの意見を収集し、この評価結果の妥当性に関して分析していく予定である。

次年度の研究費の使用計画

「該当なし」

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2012

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 地域包括ケアシステムにおける保険者機能を評価するための尺度の開発2012

    • 著者名/発表者名
      筒井孝子,東野定律
    • 雑誌名

      保健医療科学

      巻: 61(2) ページ: 104-112

    • DOI

      www.niph.go.jp/journal/data/61-2/201261020005.pdf

    • 査読あり
  • [学会発表] 介護職における技術評価に関する研究(その1)-職員の属性別にみた業務内容の比較および評価項目の検討-2012

    • 著者名/発表者名
      東野定律,筒井孝子,大夛賀政昭
    • 学会等名
      日本社会福祉学会
    • 発表場所
      関西学院大学
    • 年月日
      20121020-20121021

URL: 

公開日: 2014-07-24  

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