研究計画の二年目かつ最終年度である当該年度は、引き続き先行研究の整理と分析、および、本研究との比較検討、日本語質問紙調査の実施を行った。質問紙による調査は、第一回目の調査をもとに、第一回目と同一の対象者に、追跡調査となる第二回目のアンケート調査を郵送または直接手渡しで実施した。これに加えて、本研究参加者のうち依存症回復のための民間プログラム参加を了承する実施群と比較するための対照群(依存症が疑われるものの回復プログラムに参加しない人)の条件をみたす人に協力を依頼し、これらの人について用意していた質問紙調査を実施した。集めた質問調査紙は、匿名化し、項目ごとに集計した。 昨年度同様、対象者は、奈良県にある民間の回復支援施設、セレニティー・パーク・ジャパンの入所を検討している依存症者(およびその疑いのある人)に協力を依頼し、その手続では、研究協力者として、同施設の施設長である三宅隆之氏と、東京相談窓口の職員である田中紀子氏の助力を得た。 第二回目の調査協力者、および、対照群の条件をみたす人の数を、研究計画のとおり順調に確保できなかったため、第二回目の質問紙調査の協力を以前依頼したにもかかわらず連絡のなかった人に再度協力依頼を行った。また、対照群の条件をみたす人を随時追加募集し人数を増やすことを試みた。この計画の変更によって進展が遅れたため、得られた結果について統計的分析を加えるまでは至らなかった。
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