貧困対策では、短期的な必要の充足をする給付の支給に加え、ライフコースにおける不意の出費や将来の投資等といった長期的な必要を充足するストック資源の提供も重要である。 金融化が進む現代社会において貧困家庭がストック資源を充足するためには、基礎的な金融を活用する機会や能力の確保が不可欠となる。この課題は金融排除や金融包摂の概念や言説を中心に論じられている。アメリカにおける資産福祉もしくは貯蓄を促す事業は、特に子どもの貧困対策として支持を得ている。また、その事業には金融に関する能力を高める金融教育も組み込まれている。日本においても、類似の論点や動向は債務対策等との関連で議論されている。
|