本研究は、精神障害者本人だけでなく家族にも支援が必要とされる根拠を見いだすことを目的に、統合失調症の子どもをもつ母親を対象にインタビュー調査を実施した。これらの根拠をもとに、具体的な家族支援施策についての知見を得るため、Meriden Family Programme(英国NHS内の家族支援技術の研修機関)への視察を行った。結果、①母親は直接的なケアにとどまらず、本人から強い影響を受けながら生活していること、②こうした影響が長年積み重なることで、母親と本人が「分かちがたい関係」に陥っていることが示唆された。本人も含めた家族全体に働きかける支援として、メリデン版訪問家族支援の有効性が示唆された。
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