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2014 年度 実績報告書

加齢に伴うコミュニケーション障害に対するケア実践のエスノメソドロジー研究

研究課題

研究課題/領域番号 24730480
研究機関京都大学

研究代表者

秋谷 直矩  京都大学, 物質-細胞統合システム拠点, 研究員 (10589998)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワードエスノメソドロジー / 会話分析 / 高齢者介護 / 知覚
研究実績の概要

最終年度は、分析と成果報告を中心に行なった。なお、調査自体は最終年度も継続し、関西郊外のグループホームと、視覚障がい者対象の歩行訓練場面での参与観察及び当該場面における諸実践のビデオ撮影を行い、データを蓄積した。
分析で焦点化したのは、「相互行為中の知覚能力」である。相互行為のなかで、「何が出来るか」「何がわかるか」といったことが推し量られる場面はグループホームでも歩行訓練場面でも見られた。その際、「できる」あるいは「できない」ということの他者理解が加齢や障がいと結び付けられることにより、それに即したかたちでやり取りが組織されていくことが見出された。ただ、「ケアをする」ことに指向したワーク(グループホーム)と、「自律する」ことに指向した歩行訓練では、相互行為の組織のされ方の展開に大きな違いがあった。前者は、「能力を推し量ること」は、高齢者の次の行為を予期し、フォローアップするためのリソースとして参照される。一方後者は、「推し量られた能力」に準じた適切な行為の選択可能性を示唆するということである。
こうした違いは、「ケアすること」とはなにかという問いに対する示唆を与えるものである。以上に関する知見について、最終年度は日本保健医療社会学会等での複数回の学会発表や論文投稿を行なった。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2015 2014

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (3件) (うち招待講演 1件)

  • [雑誌論文] 会話分析研究とその応用的利用:社会学者の立場から2015

    • 著者名/発表者名
      秋谷直矩
    • 雑誌名

      コミュニケーション障害学

      巻: 32 ページ: 78-83

  • [雑誌論文] 「社会的行為としての歩行:歩行訓練における環境構造化実践のエスノメソドロジー研究2014

    • 著者名/発表者名
      秋谷直矩・佐藤貴宣・吉村雅樹
    • 雑誌名

      認知科学

      巻: 21 ページ: 207-225

    • 査読あり / オープンアクセス / 謝辞記載あり
  • [学会発表] 社会的行為としての歩行:視覚障害者による歩行訓練士の空間把握の利用2014

    • 著者名/発表者名
      吉村雅樹・佐藤貴宣・秋谷直矩
    • 学会等名
      第23回視覚障害リハビリテーション研究発表大会
    • 発表場所
      同志社大学
    • 年月日
      2014-07-20
  • [学会発表] 出来事の記述・解釈・方針の策定:認知症高齢者グループホームのワークの研究2014

    • 著者名/発表者名
      秋谷直矩
    • 学会等名
      第40回日本保健医療社会学会大会
    • 発表場所
      東北大学
    • 年月日
      2014-05-18
  • [学会発表] 会話分析の難聴への応用2014

    • 著者名/発表者名
      秋谷直矩
    • 学会等名
      第40回日本コミュニケーション障害学会学術講演会シンポジウム
    • 発表場所
      金沢大学
    • 年月日
      2014-05-11
    • 招待講演

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公開日: 2016-06-01  

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