本研究は、児童養護施設で生活する子どもの進路選択と退所後の生活の縦断調査を行い、自立生活への移行過程および退所後の社会的援助体系を考察することを目的とした。 研究の結果から、子ども自身の進学に対する積極的な意思が形成されにくい環境下では、職員の援助は生活支援が中心となり、高校中退に繋がりやすいことが明らかされた。学校を含む援助機関との連携では、高校中退が避けられなくなった児童に対して、学校と連携して転校手続きを取り施設生活を継続することで、より緩やかな自立生活への移行過程が形成されることが考察された。今後の研究課題として、進学や自立に向けた動機づけの援助実践プログラムの開発がが挙げられる。
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