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2013 年度 実施状況報告書

施設で暮らす認知症高齢者の周辺症状に音環境が与える影響

研究課題

研究課題/領域番号 24730494
研究機関関西学院大学

研究代表者

宮川 雅充  関西学院大学, 総合政策学部, 准教授 (40389010)

キーワード認知症 / 高齢者 / 音環境 / 特別養護老人ホーム
研究概要

認知症高齢者の周辺症状は,施設で働くケアスタッフにとって負担となっていることが知られている。一方で,近年では,施設における音環境(騒音)が,認知症高齢者の周辺症状を引き起こす場合があることも指摘されている。
本研究の目的は,認知症高齢者の周辺症状と音環境の関係を,施設で働くケアスタッフを対象としたインタビュー調査,および,施設における音環境調査(騒音レベル・音源などの情報を記録)を実施することにより,明らかにすることである。調査の成果を踏まえて,ケアを行うにあたって,音環境について配慮すべき点等をまとめる。
平成25年度は,随時資料収集を行いながら,以下のことを行った。平成25年4~12月には,平成24年度に施設Aにおいて実施した調査の結果について分析を行いながら,研究協力施設(東海地方にある特別養護老人ホーム)を探した。同年12月に,施設Bから調査への協力が得られることになり,平成26年2~3月に調査を実施した。具体的には,14名のケアスタッフを対象に,認知症高齢者のケアおよびその音環境との関わりについて,インタビュー調査を実施した(1名ずつ実施)。また,同施設の認知症高齢者の生活する空間(屋内)および屋外において音環境調査(騒音レベル・音源などの情報を記録)を行った。
施設Aは,ユニットケア・全室個室の施設であったのに対し,施設Bは,従来型のケアを行っており,個室と多床室の混在する施設であった。今後は,両施設の結果を比較検討しながら,調査結果をまとめていく予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

平成24年度,25年度の2年間で,東海地方にある特別養護老人ホーム(2施設)において,ケアスタッフを対象としたインタビュー調査,および,音環境調査を完了することができた。しかし,本来ならば,現時点で,3施設において調査を完了している予定であった。進度が遅れている一因としては,施設見学をさせていただき,調査協力の依頼を行ったが,調査への協力を得ることができなかった施設があったことが挙げられる。以上のことから,現在までの達成度は「やや遅れている」という判断にならざるを得ない。

今後の研究の推進方策

現在までに調査の完了した2つの施設は,異なった特徴を有している(施設A:ユニットケア・全室個室の施設,施設B:従来型のケア・個室と多床室の混在する施設)。よって,平成26年度は,両者の特徴を考慮しながら,施設Aと施設Bの結果を総括し,研究発表をしながら,さらなる調査の実施を模索することになると考えられる。
なお,当初の計画では,施設と家族(本人を含む)からの同意を得た上で,認知症高齢者の様子を観察することを予定していた。しかし,現時点までの調査結果を考慮すると,周辺症状を有する認知症高齢者を一定時間観察し,周辺症状の発生と音環境との関連を検証することは,時期尚早であると考えられる。インタビュー調査におけるケアスタッフの発言は,想定していたよりも多様であり,特に2つの施設間で,ケアスタッフの発言に違いが認められる。今後は,ケアスタッフの日頃の経験に基づく発言を,特に,ユニットケアと従来型のケアの違い,個室と多床室の違い,に注目して検証することが先決と考えている。

次年度の研究費の使用計画

平成26年2~3月に調査を行った施設(3月7日に調査完了)への謝金と,3月5日~7日にその施設を調査のため訪問した際の旅費の両方を,平成25年度分として支出しようとすると,残金が不足する状況となった。そのため,施設への謝金を平成25年度分として支出し,3月5日~7日の旅費は,平成26年度分として支出することにした。そのため,43,732円の次年度使用額が発生している。
既に記載したとおり,平成26年3月5日~7日に実施した調査の旅費として,使用する。

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公開日: 2015-05-28  

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