研究課題/領域番号 |
24730499
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研究種目 |
若手研究(B)
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研究機関 | 常葉大学短期大学部 |
研究代表者 |
大村 壮 常葉大学短期大学部, その他部局等, 講師 (70523786)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 感情労働 / 福祉従事者 / 感情コントロール / 欲求不満 |
研究概要 |
平成24年度は、福祉労働従事者の感情労働とその精神的健康との関連を調べるという本研究の目的に対して、まず文献研究を実施した。文献研究では、感情労働概念がどのように発展し、この概念がどのような現象を指し示しているのかを検討した。そして感情労働概念がどのように検討されてきたのかを検討した。その結果、感情労働概念が社会学分野のみならず、心理学や社会福祉学、そして法学においても検討されるようになっていることが明らかになった。またそのなかで感情労働がある労働自体に必然的に備わっている現象なのか、それとも広く対人場面で確認される現象なのかについては検討の余地があることが明らかになった。またそれにともない、感情労働とは、何らかの賃金をともなう労働のなかで経験される現象なのか、それともアンペイドワークを含むあらゆる労働のなかで経験される現象なのかを検討する必要があることが明らかになった。以上の文献研究から感情労働の基礎づけの必要性が明らかになった。そこで感情労働の基礎づけをすべくアンケート調査の準備を行なった。先行研究から、感情労働のポイントとして、心のなかに感じた感情と表出する感情をズレさせるなどしてその場に適した感情を表出するということがある。そこで負の感情を生起させやすい欲求不満場面を用いて、どういった場面では自分のなかに感じた感情と表出する感情をズレさせ、どういった場面では自分のなかに感じた感情をそのまま表出してしまうのかを調査するためのアンケート用紙を作成した。 平成24年度は具体的な調査に入ることができなかったが、調査の準備ができたため、平成25年度は本格的な調査に入っていく予定である。そしてこの調査から得られるであろう知見は、今後の感情労働論に対して大きな意義をもつと考えられる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
前年度よりも学務が増え、予想していた以上に研究に時間を割くことができなかったため。
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今後の研究の推進方策 |
今後はアルバイトを雇うことや、データ分析処理のための機器を活用することなどを考えて調査研究の効率化を図る。そしてそれとともに学務を念頭に置いて見通しをもった年間スケジュールを立ててそれを遂行していくようにする。
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次年度の研究費の使用計画 |
前年度の残された計画を実施すべく研究費を使用していく予定である。具体的には調査を実施するため、それに要する部分に研究費を充てていく予定である。
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