研究課題/領域番号 |
24730499
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研究機関 | 常葉大学短期大学部 |
研究代表者 |
大村 壮 常葉大学短期大学部, その他部局等, 准教授 (70523786)
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キーワード | 感情労働 / 福祉労働 / 感情 / ストレス |
研究概要 |
平成25年度は感情労働とその精神的健康との関連を調べるという本研究の目的に対して、文献研究と調査研究を実施した。文献研究では、感情労働をどのように定義するのか、感情労働とストレスやバーンアウトなどについて明らかにされていることについて検討した。その結果、感情労働と労働者のストレスやバーンアウト傾向の間に関連があるとする研究や、感情労働のうち、本心と表出行動をズラす表層演技では、不協和によって脱人格化が起こるが、深層演技ではプラスの影響があるとする研究、また感情の不協和がストレスと関連しているとする研究、そして負の感情を隠すことが心身に悪影響を与えるという研究などがある。このように多種多様な研究からさまざまな結論が提示されていることが明らかになった。そのため、調査研究では、福祉労働従事者を対象にインタヴュー調査を実施して、以下のことについて調査した。労働のなかで、対象者との遣り取りの中で、並びに同僚との遣り取りの中で、喜び、楽しみといったポジティヴな感情や悲しみ、怒り、恐れ、イライラや嫌悪などのネガティヴな感情、ならびに驚きといった感情の内的経験と表出の関係がどのようになっているのか、どのような感情の内的経験と表出のときにストレスを感じるのか、そして対象者の感情の経験としてどのような感情の経験をさせるようにしているのかといったことについてインタヴューした。結果については分析途中であり、明確なことは言えないが、現時点で言えることを述べる。恐れや諦めといった一部のネガティヴな感情については内的経験がない対象者が多かったが、それ以外については全員、経験している。また内的経験を誇張して表出するということはあっても、まったく感じていない感情を表出することはない。感情の内的経験と表出をズラすことでのストレス経験は多くない可能性がある。現時点では以上のことが言える。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
平成24年度の研究が多少遅れており、平成25年度にその遅れを取り戻せなかったため。
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今後の研究の推進方策 |
今後、学務を念頭に入れ、見通しをもった年間スケジュールを立ててそれを遂行していくようにする。
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次年度の研究費の使用計画 |
平成24年度の遅れを平成25年度に取り戻すことができず、全体的に当初の計画よりも遅れてしまっているため。 平成25年度で行なった調査研究の分析が不十分であるため、その分析と、新たな調査を行う予定でいるため、その調査に研究費を使用していく予定である。
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