研究課題/領域番号 |
24730500
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研究機関 | 頌栄短期大学 |
研究代表者 |
吉岡 洋子 頌栄短期大学, その他部局等, 准教授 (80462018)
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キーワード | スウェーデン / NPO / 社会福祉 / アドボカシー |
研究概要 |
本研究の目的は、スウェーデンの社会福祉分野(特に、個人・家庭福祉)において、NPOのアドボカシー機能発揮を可能とする要因を明らかにすることであるが、2013年度はスウェーデン人研究者招へいまた国内の関係分野研究者訪問を重要な機会として、本研究における分析の方向性をよりマクロな視点から多角的に検討することができた。2013年度の主な成果は、以下2点である。 1点目は、スウェーデンのションダール大学からMarie Nordfeldt准教授を招へい(2013年12月)して実現した、本研究テーマの考察の深化である。Nordfeldt准教授と共に、日本のNPOや福祉現場を訪問することで、本研究実施者が抱いている日本の現状を踏まえた問題意識やスウェーデン研究の視点を十分に共有し、そのうえでNordfeldt准教授から専門的知識の提供を受けつつじっくりとディスカッションすることができた。また、近畿地域福祉学会では特別公開セミナー「スウェーデンの社会福祉と市民社会 -高齢者介護とホームレス支援に焦点をあててー」を、大阪大学准教授・石黒暢教授(科研費基盤研究(B)23330175)と共同で開催した。Nordfeldt准教授による講演で、本研究実施者のみでなく、社会福祉研究者に広くその知見が共有された。 2点目は、本研究テーマに深くかかわる国内研究者2名を訪問し、アドボカシーや権利擁護を中心とする専門的知識を提供して頂きながら、本研究の経過と分析について助言を得ることができた。分析の視点だけでなく、より長期的な研究計画や研究成果の公開についても助言を受け大変有意義であった。 以上の通り、本年度は主にマクロな観点を中心に研究を進めた。研究目的で併せて掲げているミクロの観点の分析は次年度の課題として残されたものの、研究全体の今後の展望を描くことができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
上記「研究実績の概要」で示した通り、計画していた現地研究者の招へいを実施することができ、有意義なディスカッションが実現した。また、並行して文献資料の収集を行い、スウェーデン事情のフォローアップも行った。本研究の直接の成果とし学会等での公表に至らなかった点が反省され、次年度に残された課題であるが、概ね順調に研究が進展しているといえる。
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今後の研究の推進方策 |
本研究課題は最終年度を迎えるため、以下の方策で推進していく。 まず、2014年度夏に現地訪問を行い、NPOのアドボカシー機能発揮についてミクロの視点での分析を進める。同時に、当段階での本研究での分析素案と検討課題を整えて、連携関係を形成しているションダール大学研究者らと再度ディスカッションまたは研究会の場をもち、最終的な考察への準備を行う。 次に、研究成果の公表については、2014年度中に学会発表(日本地域福祉学会)と論文発表を行う。これをふまえて、年度後半には、本研究の集大成としてのまとめと考察の作業に取りかかる。2015年度には本研究の最終的な成果として、論文投稿を行うことに加えて、研究実施者の博士論文とあわせて著書という形での成果公開につなげる計画である。
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