スウェーデンの社会福祉分野において、NPOは強力なアドボカシー機能を発揮し大きな社会的影響力を有している。本研究はその発揮を可能とする要因を明らかにすることを目的とし、主に個人家庭福祉の領域を中心に、制度政策に関するマクロの視点、及び個別のNPO実践や戦略に関するミクロの視点の双方から分析を行った。国内外での調査研究の結果、社会福祉分野に特別な政策決定過程への促進制度等が存在するのではなく、むしろ分野を問わず福祉国家発展と共に歴史的に形成されてきたNPOのレジティマシーとも呼べる社会での認識・合意が主要な要因であることが明らかになった。
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