研究課題/領域番号 |
24730503
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研究機関 | 公益財団法人ダイヤ高齢社会研究財団 |
研究代表者 |
天野 貴史 公益財団法人ダイヤ高齢社会研究財団, その他部局等, 研究員 (80618926)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | 高齢者 / アクティビティ |
研究概要 |
本研究の目的は、居宅の介護サービスを利用する要支援・要介護高齢者のアクティビティの実態を調査することであった。1年目には、要支援・要介護高齢者が参加するアクティビティの種類とニーズを明らかにすることを目的とした。 4法人と研究協定を結んでフィールを確保した。ソフトベンダーのサーバーに蓄積されたアセスメントデータをダウンロードするためのシステムが開発された、ダウンロード機能により研究用ユニークIDが付与されて匿名処理されたアセスメントデータを取得することが可能であった。本年度は4法人のうちアセスメントデータの入力が進んでいた1法人9事業所から123名分のアセスメントデータをダウンロードした。 ダウンロードされたデータのアクティビティに関する部分を用いて、アクティビティの参加状況を把握するための分析を行った。まず、アクティビティ18項目に関して各アクティビティに参加している利用者の割合と、興味があるが参加していない利用者の割合を算出した。「参加している利用者」の割合が多いアクティビティの上位3つは、「テレビ、ラジオ、ビデオ」(59.2%)「会話、電話」(40%)「他者の手助け」(22.7%)であった。「興味があるが参加していない利用者」の割合が多かったアクティビティの上位3つは、「旅行や買い物」(38.3%)「屋外の散歩」(37.8%)「創作活動」(24.7%)であった。参加しているアクティビティで最も多かったものは「テレビ、ラジオ、ビデオ」であり、先行研究で地域居住の高齢者を対象として行われた調査と一致していた。しかし、先行研究でテレビ視聴に次いで参加が多かった「旅行や買い物」は本研究では5%の利用者しか参加しておらず、「興味があるが参加していない利用者の割合」は最も多かった。このことから、要支援・要介護高齢者においては、特に外出や買い物に支援が必要な可能性が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
1年目の目的は、要支援・要介護高齢者が参加するアクティビティの種類とニーズを明らかにすることが目的であった。9事業所で入力されたアセスメントデータをダウンロードし、アクティビティに関する項目を用いてアクティビティの参加状況とニーズを分析することができた。しかしながら、当初の予定より参加事業者のアセスメント入力が遅れており、ダウンロードできたのは入力が進んでいた1法人のみであった。
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今後の研究の推進方策 |
すでに4法人と研究協定を結んでおり、各事業所での入力が進むことでより多くのデータをダウンロードすることが可能になると考えられる。しかしながら、参加法人のリクルートは継続して進め、より多くのデータを用いて分析を行う計画である。また、2年目は、アセスメントデータの中から、アクティビティに関する項目に加え、身体的・心理的・社会的要因に関する項目を用いて分析を行う予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
データを分析し、より複雑な統計的処理を行うために統計ソフトを購入する。より多くのデータの処理・分析が必要となるため、分析専用のノートパソコンを購入する。また、成果を発表するために学会に参加する費用が必要となる。
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