研究実績の概要 |
平成26年度は,潜在連合テスト(IAT)によってストレス状態を潜在的かつ行動指標で測定できるとする潜在的ストレス測定法仮説の検証を目指し,平成24,25年度の研究(研究1-2)で開発したSwitching IATを用いたストレス状態の反復測定に関する研究(研究3),Switching IATの短縮化を目指した研究(研究4-1, 4-2)を行った。 研究3では,ストレス操作の前(pre)と後(post1),休憩時間(5分間)を挟んだ後(post2)の計3回,コンピュータ上でSwitching IATを実施した。その結果,ストレス操作後(post1)において,低ストレス群よりも高ストレス群でSwitching IAT得点が高かった。このことから,Switching IATがストレス状態の変化を検出できることが示された。 研究4では,Switching IATの短縮化を目指し,2つの実験を行った。研究4-1では,刺激分類のためのカテゴリーラベルの呈示時間(3000ms, 2000ms, 1000ms)を操作し,ストレス状態の変化を検出できる最小の呈示時間を検討した。その結果,カテゴリーラベルの呈示時間が2000msの場合でもストレス状態の変化を検出できる可能性が示された。研究4-2では,Switching IATの試行数(80試行,40試行)を操作し,ストレス状態の変化を検出できる試行数を検討した。現在分析の途中であるが,半分の試行数であってもストレス状態の変化を検出できる可能性が示された。以上のことから,Switching IATの短縮化が達成されたといえる。
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