本研究は,犯罪抑止や犯罪予防行動を奨励するための犯罪情報や防犯情報の発信において,どのような点を考慮することが必要かを明らかにすることを目的に検討を行った。その結果として,個人的な犯罪予防行動,愛他的な犯罪予防行動とも,当該行動への態度だけではなく,他者からの期待,自分自身が行動を遂行できる自信,そして,自分が行動をコントロールできるという感覚もまた,当該行動の遂行にとって重要であることを明らかにした。一方,犯罪予防行動及び先に示した諸要因を促進する情報発信,犯罪抑止に資する情報発信の在り方について検討を行ったが,これについては明瞭な効果は見られなかった。
|