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2012 年度 実施状況報告書

社会規範における「当為的信念」の成立基盤についての研究

研究課題

研究課題/領域番号 24730509
研究種目

若手研究(B)

研究機関広島大学

研究代表者

清水 裕士  広島大学, 総合科学研究科, 助教 (60621604)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワード対人関係の規範的信念
研究概要

本年度は、社会関係における規範の成立として、最も基本的な人間関係である友人関係に焦点を当てた。具体的には、友人関係における非互恵的利他性の規範がいかにして形成されるかについて検討を行った。非互恵的利他性の信念は、「友人に対しては相手に見返りをきたせずに助けるべきだ」という信念である。本研究は友人関係が人々が病気は怪我などといった危機を管理するための装置であるという友情の進化仮説に基づいて、かけがえのない人を助けることで、相手からもかけがえのない人と思われることで、互いにかけがえのない関係を形成し、危機管理を行っていることを検証した。友人ペアの調査を行った結果、友人同士のサポートはかけがえのなさを高めることによって、非互恵的利他性の信念を高めることが明らかとなった。その結果については日本グループダイナミクス学会で発表された。また、かけがえのない関係を作ることが、友人関係における適応を高めることを別の調査結果から明らかとなった。この結果は日本社会心理学会で発表を行った。
また、初年度行う予定であった大規模なWeb調査は、次年度に実施予定であり、それに伴い予算の繰り越しを行った。計画の若干の修正はあったが、順調に研究は遂行され、発表も行われた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

当初予定していた大規模Web調査を次年度にまわしたため、若干の遅れがあるが、次年度の4月に実施予定であるため、それほど大きな遅れはないと思われる。

今後の研究の推進方策

去年度実施予定だったWeb調査を行うとともに、日本とカナダでの国際比較調査を夏から秋にかけて実施予定である。

次年度の研究費の使用計画

国内Web調査に加えて、日本とカナダの比較調査をWebを用いて実施する。
前年度未実施だった国内Web調査について、1000名程度を対象に調査を実施するため80万程度を使用する。この額は前年度使用予定だったものと同額である。
また、日加間調査については、それぞれ400名、合計800名を対象に、70万程度を使用する。

  • 研究成果

    (9件)

すべて 2013 2012 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (7件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] More human than others, but not always better: The robustness of self-humanizing across cultures and interpersonal comparisons.2013

    • 著者名/発表者名
      Park, J., Haslam, N., Shimizu, H., Kashima, Y., & Uchida, Y..
    • 雑誌名

      Journal of Cross-Cultural Psychology.

      巻: in press ページ: in press

    • 査読あり
  • [学会発表] 危機管理装置としての友人関係II2012

    • 著者名/発表者名
      清水裕士・谷口淳一
    • 学会等名
      日本社会心理学会第53回大会発表論文集, 38.
    • 発表場所
      つくば国際会議場
    • 年月日
      20121117-20121118
  • [学会発表] 分散型リーダーシップ構造における機能分担の有効性の検討2012

    • 著者名/発表者名
      坂田桐子・外浦千加・清水裕士・早瀬良
    • 学会等名
      日本社会心理学会第53回大会発表論文集, 186.
    • 発表場所
      つくば国際会議場
    • 年月日
      20121117-20121118
  • [学会発表] 集団と個人の地位が集団の地位変動に関する動機に及ぼす影響2012

    • 著者名/発表者名
      杉浦仁美・清水裕士・坂田桐子
    • 学会等名
      日本社会心理学会第53回大会発表論文集, 196.
    • 発表場所
      つくば国際会議場
    • 年月日
      20121117-20121118
  • [学会発表] 日本語版チームの共有メンタルモデル尺度の作成2012

    • 著者名/発表者名
      寧華・坂田桐子・清水裕士
    • 学会等名
      中国四国心理学会第68回大会発表論文集
    • 発表場所
      福山大学宮地茂記念館
    • 年月日
      20121110-20121111
  • [学会発表] 危機管理装置としての友人関係 友人関係の「かけがえのなさ」と非互恵的利他性の信念III2012

    • 著者名/発表者名
      清水裕士・浅野良輔
    • 学会等名
      日本グループダイナミックス学会第59回大会発表論文集, 86-87.
    • 発表場所
      京都大学
    • 年月日
      20120922-20120923
  • [学会発表] 集団と個人の地位が集団間階層に対する価値観に及ぼす影響2012

    • 著者名/発表者名
      杉浦仁美・清水裕士・坂田桐子
    • 学会等名
      日本グループダイナミックス学会第59回大会発表論文集, 58-61.
    • 発表場所
      京都大学
    • 年月日
      20120922-20120923
  • [学会発表] 友人関係の「かけがえのなさ」と非互恵的利他性の信念II2012

    • 著者名/発表者名
      清水裕士
    • 学会等名
      日本心理学会第76回大会発表論文集, 71.
    • 発表場所
      専修大学
    • 年月日
      20120911-20120913
  • [備考] http://norimune.blog15.fc2.com/

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公開日: 2014-07-24  

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