社会関係における規範の成立として、最も基本的な人間関係である友人関係に焦点を当て、友人関係における非互恵的利他性の規範がいかにして形成されるかについて検討を行った。そこで「友人関係のかけがえのなさ」に注目し,友人関係は互いに病気や怪我といった危機を管理するために,互いに代替不可能な関係を作ることによって,非互恵的利他性の規範が形成されると予測した。 研究の結果,かけがえのない関係を作ることが非互恵的利他性の信念を形成していることが明らかとなった。また,友人からかけがえのない人と思われているかどうかをチェックするために,友人に対する協力の要請を間接的に行うことが利用されることも明らかとなった。
|