本研究は自己統制上の葛藤を強めた場合に目標追求が促進されるかどうかを検討した。実験1では実験者が提示したお菓子の中で最も魅力的なお菓子を食べてはいけないと言われた際の参加者のα-アミラーゼを測定した。実験2では高カロリーあるいは低カロリーな食べ物に対する潜在的態度を測定した。実験3ではパソコン上に健康的あるいは不健康な食べ物を提示し、半数の参加者は健康的な(不健康な)食べ物が出てきたらレバーを引く(押す)ように求められた。残りの半数はそれとは逆にレバーを動かすように求められた。実験1、2では葛藤を強く感じるほど自己統制ができていた。しかし、実験3では葛藤を強く感じる方が自己統制に失敗していた。
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