| 研究課題/領域番号 |
24730519
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| 研究種目 |
若手研究(B)
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| 研究機関 | 東海学院大学 |
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研究代表者 |
吉田 琢哉 東海学院大学, 人間関係学部, 講師 (70582790)
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| 研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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| キーワード | 葛藤 / 構造的認知 / 統合的合意 / 食生活 / 交渉 / 説得 / 関係性目標 / 接近－回避 |
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| 研究概要 |
本研究は、意見や価値観の対立する葛藤事態において、統合的合意に至る心理的プロセスを明らかにすることを目的としている。本年度は、個人内葛藤として食生活領域における葛藤を、個人間葛藤として対人場面での葛藤を取り上げ、それぞれの背後にある目標構造についての検討を中心的に行った。
食生活領域については回想法調査より、食生活の背後にある諸目標同士の構造的認知が相互促進的であるほど、食生活関連目標が健康的食行動に正の影響を与える傾向が強いことが明らかとなった。次のウェブ調査では、他者から提示された説得的メッセージに含まれる遂行目標と個人の重視する目標との一致の効果について、準実験計画に基づき検討した。その結果、統制条件と比べ、事前に健康目標を活性化する条件において、説得的メッセージによる朝食への賛成態度が顕著であった。目標一致の効果は見いだされなかったことから、今後は潜在的目標の活性化を導入するなど手続きを改善し、目標の構造的影響を検討する予定である。
一方の対人葛藤については、吉田・中津川（2011）のデータを再分析し、対人葛藤直面時における関係性目標の影響について検討した。その結果、相手との関係を重視する関係性目標は接近的目標と回避的目標とに弁別され、それぞれが葛藤対処方略に固有の影響を及ぼすことが明らかとなった。ただし、この研究では対象が関係を志向する目標のみとの限定を有していた。そこで回想法に基づくウェブ調査を行い、改めて関係性目標の尺度作成を試みた。想定していた4因子が抽出されたことから、今後は葛藤事態や関係性の重要性等を統制した上で、改めて関係性目標の影響を検討する予定である。
2つの領域に関する一連の結果から、葛藤の背後にある目標構造を捉える試みは一定の成果を収めている。25年度は葛藤する目標をどのように統合していくかについて検討していく予定である。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
意見や価値観の対立する葛藤事態において、統合的合意に至る心理的プロセスを明らかにするとの当初の目的に照らし、葛藤の背後にある目標構造を捉える試みは一定の成果を収めることができた。以上のことから、達成度について「おおむね順調に進展している」と判断した。
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| 今後の研究の推進方策 |
25年度は引き続き、食生活領域と対人葛藤領域における目標の構造的認知の影響について明らかにすべく、説得効果を検証する準実験および回想法調査を遂行する。また、26年度に葛藤事態の統合的解消に向けた教育プログラムを作成することを念頭に、25年度には葛藤事態の視覚化および争点数を要因計画に組み込んだ実験を行う予定である。
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| 次年度の研究費の使用計画 |
当初の計画に則し、直接経費720,000円（24年度未使用額を含む）を、物品費280,000円、旅費100,000円、その他340,000円の内訳で使用する予定である。当初の予定よりも「その他」の内訳が多いのは、ウェブ調査に必要な費用を確保するためである。
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