本研究では葛藤事態において合意に至る情報処理として目標設定の役割に注目した。個人の置かれた状況に応じて、対立する主張の背景にある目標をどのように構造的に捉えるかが葛藤事態の合意的理解に与える影響について検討した。個人内葛藤として食生活を、個人間葛藤として対人葛藤を取り上げた。食生活については、BMIや食習慣などの状況により目標が食生活に関する態度に与える影響は異なることが示された。対人葛藤については、接近-回避という側面から他者との関係性を重視する目標を弁別し、それらが葛藤対処方略に与える影響や、制御焦点や愛着スタイルからの影響について明らかにした。
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