• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2013 年度 実績報告書

顔認知における視線パタンの役割とその発達

研究課題

研究課題/領域番号 24730523
研究機関日本電信電話株式会社NTTコミュニケーション科学基礎研究所

研究代表者

加藤 正晴  日本電信電話株式会社NTTコミュニケーション科学基礎研究所, 人間情報研究部, リサーチスペシャリスト (20408470)

キーワード視線パタン / 顔認知 / 発達
研究概要

昨年度に引きつづき,視線計測法を用いた顔認知の発達の研究を行った.昨年度に得られた結果,すなわち顔画像に対する乳児達の視線パタンが,発達と共に徐々に類似する現象が本当に顔認識に関連する現象であるかどうか確認するため,3種類の実験を行った.
(1)建物の画像を用いて同月齢の乳児達の視線パタンを計測した.この場合興味深いことに,乳児達の視線パタンの類似度は顔画像よりも低く,さらに発達と共に向上しなかった.すなわち視線パタンの集約は顔画像に特異的にあらわれることを示唆する.
(2)昨年度はシンプルな線によって描かれた顔画像を刺激としてもちいた.そこでよりリアルな写真を用いて同様の実験を行った.(1)と同様,視線パタンの類似度が月齢と共に向上する傾向が見られなかった.写真の場合,輝度や色情報が豊富になるため個々の場所に注意がとられる結果,相対的に顔のパーツ間の関係性に注意が向きにくくなるのかもしれない.現在3歳児を対象として調査を継続している.
(3)成人を対象として顔認知と視線パタンの実験を行った.当初予定では,すでにウプサラ大学で計測されたデータを用いて表情の知覚と視線パタンの関係を調べる予定であった.しかし,(2)の結果などから,昨年度に得られた結果をきちんと確認する必要があると感じたためである.この実験では写真の顔に対して視線パタンの類似性の向上が見られるかを確認することと,複数の写真を使用することで視線パタンの類似が顔カテゴリに対して生じているかを確認した.さらに発達障害者と健常者の顔写真に対する視線パタンの類似度も検討した.実験の結果,視線パタンの収束が写真でも成立すること,その収束は顔カテゴリに対して生じていること,発達障害者よりも健常者の方が視線パタンの類似度が高いことが確認された.以上の結果は国内の3つの学会で発表された.

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2013

すべて 学会発表 (3件)

  • [学会発表] 顔画像に対する視線パタンの収束は家画像でも生じるか2013

    • 著者名/発表者名
      加藤正晴
    • 学会等名
      日本赤ちゃん学会
    • 発表場所
      アクロス福岡(福岡)
    • 年月日
      20130524-20130525
  • [学会発表] 視線パターンから測る乳児の顔認知能力2013

    • 著者名/発表者名
      加藤正晴
    • 学会等名
      日本応用心理学会
    • 年月日
      20130000
  • [学会発表] 乳児が顔を顔と認識し始めるのはいつかー視線パタンから探る顔認知能力2013

    • 著者名/発表者名
      加藤正晴
    • 学会等名
      日本発達神経科学学会
    • 年月日
      20130000

URL: 

公開日: 2015-05-28  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi