研究課題/領域番号 |
24730526
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研究種目 |
若手研究(B)
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研究機関 | 帝塚山大学 |
研究代表者 |
谷口 淳一 帝塚山大学, 心理学部, 准教授 (60388650)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 友人関係 / 評価 / 自己呈示 |
研究概要 |
本研究では、友人から総合的な領域では自己高揚的な評価を、特定的な領域では自己確証的な評価を得ていると認知することで、自律、親交、一貫性という3つの自己関連動機を満たすことができ、そのような友人からの評価が友人関係のサポート授受を高め、良好な友人関係の形成、維持に繋がり、さらに、関係外での積極的な活動を促すとの仮説モデルを設定し、検証を行うことを目的としている。 今年度は上記の仮説モデルの妥当性を検証するために研究1として親密な同性友人関係を対象とした横断的調査を実施し、友人からの自己に対する評価の認知が関係良好性にもたらす影響を検討した。具体的には、回答者に最も親密な同性の友人を1人思い浮かべさせた上で、友人からの自己に対する評価の認知、友人からの評価が自己確証的か自己高揚的か、関係良好性の認知などの項目に回答を求めた。調査への回答者は2つの異なる大学に所属する大学生423名だった。 分析の結果、予測通り、親交領域の「調和」因子と「親しみ」因子において、関係良好性に対して有意な正の影響過程がみられ、これらの領域で自己高揚的な評価を得ていると認知しているほど、関係満足感および親密性が高くなっていた。関係の維持に関わると考えられるこれらの領域において、友人から自己評価よりも高い評価を得ていると思えることは関係良好性を高めているといえる。ただし、自律‐特定領域のいずれの因子も関係良好性に有意な負の影響を与えておらず、自己確証的な評価を得ているほど、関係良好性が高くなるとの予測は支持されなかった。現在、その理由について考察を行い、今年度の新たな研究に繋げる予定である。これらの研究結果は本年の社会心理学会で発表予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
概ね当初の予定通りに研究は進行している。ただし、計画段階で予定していた研究2の「友人からの評価が共同関係的な応答性に与える影響についての観察実験」については今年度の実施を見送った。これは、研究1の実施を行うにあたって、友人からの評価項目を作成、選定するにあたって以前に実施していた予備的研究の再検討を行い吟味を行うことに時間を要したことにある。さらに、研究2を行うにあたっては、研究1の結果をふまえて、実験計画をより精緻にする必要があると考え、研究1の分析、検討が終わるのを待つこととしたためである。
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今後の研究の推進方策 |
平成25年度については、研究1の分析結果についてより精緻な検討を行い、仮説モデルの妥当性について検証する。この結果をふまえて仮説モデルの微修正、および友人からの評価として使用している項目の整理を行う。その後、研究2の観察実験、および研究4の既存の友人関係を対象とした介入実験を行う。また、研究3については大学新入生の友人関係の形成を対象とした研究であり、本格的な実施は平成26年度に行う。平成25年度は研究3の予備的研究として、検討する変数を絞った上で、5月上旬と10月上旬に大学新入生を対象とした縦断的調査を行う。
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次年度の研究費の使用計画 |
現在までの達成度の理由で述べた通り、平成24年度に実施予定としていた研究2を平成25年度に行うこととしたため、平成25年度に研究2の実施に伴う研究費が必要となった。
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