研究課題/領域番号 |
24730533
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
高橋 史 信州大学, 教育学部, 准教授 (80608026)
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キーワード | 攻撃行動 / 小中学生 / 問題解決スキル訓練 / 介入研究 |
研究概要 |
平成25年度は,問題解決スキル訓練による対人行動改善効果の検討を開始した。 甲信越地方の公立小学校に在籍する小学5年生計136名が研究に参加した。研究参加者は,学級ごとに,実験群,比較対照群,Waiting-list群に割り当てられた。実験群は自ら考える力をトレーニングする問題解決スキル訓練,比較対照群は支援員が提示した適切な行動を練習する訓練に参加した。介入はいずれも,1回50分,計6回であり,介入期間は約2ヶ月であった。介入前後には,向社会的行動,攻撃行動,引っ込み思案行動について,質問紙による自己評定および教師評定を行った。Waiting-list群は介入に参加せず,測定のみを行った(平成26年度に介入実施予定)。 介入の結果,自己評定値においては,実験群と比較対照群の両方で,向社会的行動の増加,攻撃行動および引っ込み思案行動の減少が見られた。教師評定においては,実験では向社会的行動の増加,比較対照群では向社会的行動の増加と攻撃行動の減少が見られ,引っ込み思案行動は両群で変化が認められなかった。Waiting-list群においては,自己評定による引っ込み思案行動の減少が見られ,その他の指標においては変化がなかった。 問題解決スキル訓練は,介入を行わないWaiting-list群と比べて有意な介入効果を示した。これは,本研究の仮説を支持する結果である。さらに,向社会的行動の増加効果が明らかになったという点は,問題解決スキル訓練による攻撃行動減少効果のみを示した申請者らのこれまでの研究をさらに前進させるものである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の予定どおり,問題解決スキル訓練を実施する群としない群における対人行動の変化の差異を検討することができた。本年度の研究成果は,平成26年度に開催される諸学会にて発表申請中であり,学術誌への投稿に向けて執筆中である。
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今後の研究の推進方策 |
本研究課題は,主に学校教育現場において活用される研究知見の提示を目的としたものであり,学校教員からの協力が必要不可欠である。そのため,これまでと同様に,学校教員対象の研修会等で研究知見および具体的トレーニング方法を紹介することで,研究成果を積極的に発信するとともに,研究参加希望校の募集を行う。さらに,平成25年度の研究において適切な行動を直接指示・練習する群を設けることができたたため,引き続き測定を行うことで,介入効果の持続性の検討(平成26年度予定の研究内容)を進める。 現時点において,研究計画の変更あるいは研究を遂行する上での問題点等は浮上していない。
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次年度の研究費の使用計画 |
平成25年度は,13,428円分の研究費の未使用が生じた。これは主に,研究参加校が予定よりも少なく,実験実施補助者への謝金が節約されたためである。 平成25年度研究費の未使用分(次年度使用額)と平成26年度分として請求済の研究費については,研究成果発表および研究参加校のさらなる拡大のための旅費および人件費を主として,研究成果発信の際に必要となる心理学関連書籍などの物品,英文校閲費などに充てる。
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