本研究では自閉症者における社会的感情(ユーモア)の障害の背景にある神経メカニズムの解明を目指した。第一に、ユーモアがどのような認知的処理の結果として生じるかについて、認知心理学的モデルを構成し、行動データに基づいて検証した。第二に、定型発達者を対象としたfMRI(機能的磁気共鳴画像法)実験を実施し、ユーモアとその生起に関与する種々の認知プロセスに関わる神経活動を画像化した。第三に、同一のパラダイムに基づいて自閉症者を対象としたfMRI実験を行い、定型発達者との比較から自閉症者におけるユーモアの障害の脳内メカニズムを検証した。
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