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2012 年度 実施状況報告書

アスペルガー障害をもつ児童生徒を対象とした抑うつ予防プログラムの効果の検討

研究課題

研究課題/領域番号 24730535
研究種目

若手研究(B)

研究機関愛知教育大学

研究代表者

小関 俊祐  愛知教育大学, 教育学部, 講師 (30583174)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワードアスペルガー障害 / 抑うつ / 児童 / 生徒 / 認知行動療法
研究概要

本研究課題の目的は,アスペルガー障害をもつ児童生徒を対象とした,抑うつ予防プログラムを開発し,その有効性について検討することであった。アスペルガー障害をもつ児童生徒にとっての抑うつの問題は,アスペルガー障害の二次障害として発現し,いじめや不登校の背景の1つとなっており,アスペルガー障害をもつ児童生徒の抑うつに関わる心理社会的要因の影響性について検討し,その知見をもとに,抑うつ予防を念頭においた学校適応促進プログラムを開発し,学校現場における適用の有効性を実証的に検討していく。
平成24年度は,アスペルガー障害をもつ児童生徒と,通常学級に在籍する児童生徒を比較検討し,アスペルガー障害をもつ児童生徒の抑うつの問題に特徴的な心理社会的要因を明らかにすることと,半構造化面接を行うことで,アスペルガー障害をもつ児童生徒と一般の児童生徒における,抑うつの質的な差異について明らかにすることを目的に研究を実施した。
平成24年度の成果として,4府県15校を対象とした大規模調査を実施し,抑うつと障害特性の関連について検討することができた。この成果は平成25年度の学会等で発表の予定である。また,半構造化面接については,小人数であったが,実施することができた。平成25年度も継続して調査を実施する予定である。一方,学校適応促進プログラムについては,試行ができ,その効果については現在投稿中である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

大規模質問紙調査が実施できたこと,および学校適応促進プログラムの試行ができたことは大きな成果と言えるが,半構造化面接は予定よりも少ない規模での実施となった。質問紙調査が当初予定よりも大規模なものとなったことと,学校適応促進プログラムが展開できたことにより,プログラム遂行のための学校側との打ち合わせに力を入れたため,半構造化面接実施者との日程調整がうまくいかなかったことが理由として挙げられる。

今後の研究の推進方策

平成25年度は,半構造化面接の実施と学校適応促進プログラムの実施に向けて研究を進めていく。特に,アスペルガー障害の認知発達に関する臨床的知見を積極的に活用し,さらに実験的な検討に基づいた基礎的知見を融合させるという手続きを踏むことで,プログラムを開発する。そのため,本研究で得られた知見は,アスペルガー障害をもつ児童生徒の抱える,抑うつ以外の心理社会的問題の改善にも援用可能となることが期待される。また,本研究では,特定の医療機関や専門機関でのみ活用可能なプログラムの開発ではなく,学校現場で実施可能なプログラムを開発する。小中学校の学活の時間や特別支援教育の枠内での活用が可能であり,本研究の成果は広く学校現場に適用可能である。本研究の成果は,アスペルガー障害を対象とする発達障害領域や教育領域に大きなインパクトを与えると期待される。

次年度の研究費の使用計画

平成24年度は,半構造化面接の実施が予定より少ない規模での実施になったことから,研究費に残額が生じ,平成25年度へ繰り越し金が発生した。
日本行動療法学会,日本心理学会,日本健康心理学会,日本認知療法学会,Congress of Asia Cognitive Behavioral Therapyでの学会発表,および調査の実施のための予算を計上している。また,研究成果分析のためのソフトウェアの購入も予定している。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2012 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (5件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] 小学5年生の学校不適応感に対する認知行動的アプローチの適応2012

    • 著者名/発表者名
      小関 俊祐
    • 雑誌名

      Stress & Health Care

      巻: 203 ページ: 1-2

    • 査読あり
  • [学会発表] 学級集団を対象とした認知行動療法の改善の可能性2012

    • 著者名/発表者名
      小関俊祐
    • 学会等名
      日本教育心理学会
    • 発表場所
      琉球大学
    • 年月日
      20121123-20121125
  • [学会発表] 中学進学に向けた学校適応促進のための問題解決訓練の効果2012

    • 著者名/発表者名
      小関俊祐・小関真実
    • 学会等名
      日本行動療法学会
    • 発表場所
      立命館大学
    • 年月日
      20120921-20120923
  • [学会発表] 児童用認知的評価尺度の作成および信頼性と妥当性の検討2012

    • 著者名/発表者名
      小関俊祐
    • 学会等名
      日本心理学会
    • 発表場所
      専修大学
    • 年月日
      20120911-20120913
  • [学会発表] Effects of Class-wide Social Skills Training for Special Needs Children2012

    • 著者名/発表者名
      Koseki, S., & Koseki, M.
    • 学会等名
      ICBM 12th Int. Congress of Behavioral Medicine
    • 発表場所
      Budapest(ハンガリー)
    • 年月日
      20120829-20120901
  • [学会発表] 児童用BIS/BAS尺度日本語版作成の試み2012

    • 著者名/発表者名
      小関俊祐
    • 学会等名
      日本ストレスマネジメント学会
    • 発表場所
      いわき市生涯学習プラザ
    • 年月日
      20120726-20120727
  • [備考] 愛知教育大学研究者総覧(小関俊祐)

    • URL

      http://souran.aichi-edu.ac.jp/profile/ja.pESa4-joJb.tuvG9ow4aYA==.html

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公開日: 2014-07-24  

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