本研究課題の目的は,アスペルガー障害をもつ児童生徒を対象とした,抑うつ予防プログラムを開発し,その有効性について検討することであった。本研究課題では,第一に,アスペルガー障害をもつ児童生徒が抱えるうつ病に対する心理的支援について,その手続きや有効性について展望した。次に,特別支援学級に通う児童と,その児童が通級で過ごす学級を対象として,認知行動療法に基づく抑うつ予防プログラムを実施し,有効性について検討した。最後に,個別の事例として,学校不適応感を抱く児童を対象として心理面接を実施し,有効性を検討した。以上の結果から,認知行動療法に基づく抑うつ予防プログラムの有効性が示唆された。
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