研究課題/領域番号 |
24730540
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
奈田 哲也 九州大学, 人間・環境学研究科(研究院), 研究員 (20567391)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | 知識獲得過程 / 親密性 / ピア |
研究概要 |
「他者とのやりとりによって生起した感情は知の協同構成過程に如何に影響を及ぼすか」という課題名に即した研究を行うため、平成24年度は、幼児同士でやりとりを行わせ、そのやりとりが個の知識獲得に如何に影響を及ぼすのかといったことを検討した。その際、親密性の高い者同士、低い者同士といったように、幼児をペア分けし、そのペア間でやりとりさせるとともに、大人ともやりとりをし、比較を行った。 その結果、お互いの親密性が高すぎると、当該のやりとり以外のことに注意がそがれてしまうため、大人とのやりとりした場合よりも知識獲得が推し進められないということが明らかとなった。また、親密性が低い場合(低いといっても、高い場合と相対的にという意味であり、仲が悪いというわけではない)には、当該のやりとりに集中でき、大人とやりとりした場合以上に知識獲得が推し進められるということが明らかとなった。 つまり、大人とのやりとりとは、この場合、実験者であり、幼児にとっては新規な人物であるため、子のやりとりに対する積極性を引き出せないが、ある程度の仲の良さがある相手の場合には、一緒にやりとりを楽しめるように、課題に積極的に取り組めるため、知識獲得が推し進められるということを意味する。こういったことから、今後は、保育園や学校場面において、やりとりをさせる場合に、知識獲得を推し進めていくためには、どのようなペアを組めば良いのかが明らかになったと言える。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
「他者とのやりとりによって生起した感情は知の協同構成過程に如何に影響を及ぼすか」という課題名に即した研究を1つ行い、相手とのやりとりに対して過大なポジティブ感情を生起させた場合には、当該のやりとりに積極的に取り組めなくなるので、あまり知識獲得を推し進められないということを明らかにできたため。
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今後の研究の推進方策 |
今回は、ポジティブ感情の側面に注目していたが、ネガティブ感情の側面にも注目して研究を行っていきたい。
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次年度の研究費の使用計画 |
平成24年度に行った研究を論文等に投稿したり、国内・海外を含め、広く発表していこうと考えている。また、新たな実験を行うための機材を購入したりする費用であったり、データを入力するための補助をお願いするのに使用していこうと考えている。
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