研究課題
若手研究(B)
本研究は,実験と観察を組み合わせた方法により,2歳児の表象機能の発達及び自己の様相に関する発達モデルを3年計画で構築することを目的としている。今年度は,主に以下の二点について研究を進めた。まず,予備的に既に取得済みの2歳児1名の言語使用に関するデータ分析を進め,内的シンボル(言語)の理解,使用と自己の様相との関連について考察を行った。続いて,半年間,保育園の2歳児クラスの縦断観察を実施し,仲間同士の自他関係の変化及び自己の様相との関連に関する基礎データを得た。
3: やや遅れている
当初の計画では,今年度中に,次年度に本格実施するモデル検証の実験のために,外的シンボル(おもちゃ等のレプリカ)を用いた予備実験と,マークテストを用いた自己像認知に関する予備実験を行う予定であった。しかしながら,諸事情によって予備実験実施が困難となり,今年度は,主に観察データの入手と分析を進めることとなった。予定変更に伴う計画の見直しが余儀なくされたため,研究の実施状況としては,やや遅れていると評価している。
次年度は,本年度に実施し,学会発表を行った2歳児1名の言語使用に関するデータ分析ならび2歳児クラスの縦断観察結果を公表し,論文としてまとめる予定である。さらに,2~3歳児を対象とした実験実施に向けて準備を進める計画である。
実験に必要な機材を揃えるための物品費と実験依頼園への謝金,データ分析に必要な人件費を計上している。さらに,これまでの成果を海外の学会や研究会で公表するため,旅費の額を今年度よりも多く計上している。
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愛知県立大学教育福祉学部論集
巻: 61 ページ: 79-90
小児の精神と神経
巻: 52 ページ: 149-156