本研究は、高齢者の記憶能力のモニタリングに関する検討を目的とした。 研究1と研究2において、高齢者が自己の記憶能力を他人と比べた場合、自己の記憶能力を高く評価する自己高揚的評価が生じており、その理由には、日常生活での活動や認知症への非罹患が考えられた。また、自分の興味・関心のある事柄が記憶課題であった場合、記憶能力の自己評価は高いことが見受けられた。さらに研究3では、ライフスタイルが消極的な群(地域活動にあまり参加せず、衣服にこだわらない。休日は家にいることが多い)に分類された高齢者は、記憶能力のモニタリングにおいてもネガティブな評価をしていることが明らかになった。
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