研究課題/領域番号 |
24730549
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研究機関 | 中部大学 |
研究代表者 |
杉本 英晴 中部大学, 人文学部, 助教 (20548242)
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キーワード | キャリア・アダプタビリティ / 進路意思決定 / キャリア教育 |
研究概要 |
本研究は,自律的にキャリアを選択するためのレディネス・対処力である「キャリア・アダプタビリティ」を中心に据えた進路意思決定モデルを構築し,自律的な進路意思決定につながる実践的プログラムの開発を行うものである。3年間の研究期間の2年目にあたる平成25年度は,「キャリア・アダプタビリティ」尺度を改訂し,十分な信頼性・妥当性を有した尺度を作成すること,また,「キャリア・アダプタビリティ」の形成に影響を及ぼす促進要因と阻害要因についての教育可能性に関する検討を行うことであった。 「キャリア・アダプタビリティ」尺度の改訂については,十分な信頼性・妥当性を有した尺度が作成された。また,「キャリア・アダプタビリティ」形成に影響を及ぼす促進要因と阻害要因については,学生に対する調査から,独力でのコントロール可能だと認識される要因と教員やキャリアカウンセラーによる教育可能性が高いと認識される要因が異なる可能性が示唆された。 なお,「キャリア・アダプタビリティ」形成初期段階における阻害要因として,就職に対する拘束的イメージがあげられるが,拘束的イメージは進路探索行動の不十分さによって形成され,キャリアセンターへの忌避的な態度につながるという調査結果を平成25年度の日本発達心理学会第24回大会のポスター発表で公表した。また,キャリア支援が必要な不適応学生に対する自律性を支援するための多様な方略を探るべく,日本発達心理学会第24回大会にてシンポジウムを企画した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成25年度の目的であった「キャリア・アダプタビリティ」尺度の改訂と「キャリア・アダプタビリティ」形成に関わる促進要因・阻害要因の学生による教育可能性の検討については,おおむね順調に進展できたと思われる。 ただし,教員やキャリアカウンセラーによる教育可能性の検討については現在調整中であり,さらなる検討が必要である。平成26年度の前期にはこの課題を達成し,「キャリア・アダプタビリティ」形成モデルの構築を予定している。
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今後の研究の推進方策 |
平成26年度には,これまでの2年間の研究をまとめ,「キャリア・アダプタビリティ」形成モデルを構築し,「キャリア・アダプタビリティ」形成フローチャート教材を作成する予定である。具体的には,大学生への面接調査をもとに,TEMによる分析を通した検討を行い,分析結果をフローチャート教材に援用する。 なお,これまでの研究成果を,日本教育心理学会や日本キャリア教育学会にて,学会発表や学会誌への投稿を行っていく。また,研究協力者には,研究成果公開パンフレットを最終年度に作成し配布するとともに,インターネットでも公開していくことを予定している。
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次年度の研究費の使用計画 |
「キャリア・アダプタビリティ」尺度の精緻化のため延期した面接調査を,現在縦断的に行っている。面接協力者の要望を反映し,面接調査による謝金の支出をまとめて行うことにしたため,人件費・謝金の支出が少額となっている。 面接調査は,予備調査も踏まえ,縦断的に行われている。面接協力者の要望を反映し,面接調査に関する人件費・謝金の支出は,平成26年度後半までにまとめて行うことを予定している。
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