「いい子」の再考を目的として擬似的な適応(擬適応)という概念を検討するため、3~5歳児の擬似的な適応行動(擬適応行動)、ストレス状態、気質、完全主義の縦断データを収集し分析した結果、以下の成果が得られた。1)否定的な感情を抑制する行動を示す幼児のストレスは高かった。2)気質のうち「制御性」「積極的活動性」は変化するが「否定的情動性」に変化は認められなかった。3)擬適応行動に発達的変化は見られなかった。4)完全主義のうち「こだわり・心配」「高目標設定」には変化が見られたが、「完全願望」については見られなかった。5)「完全願望」は擬適応行動と関連があることが示された。
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