研究課題/領域番号 |
24730553
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研究機関 | 甲南大学 |
研究代表者 |
大西 彩子 甲南大学, 文学部, 講師 (40572285)
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キーワード | いじめ / 学級運営 / 傍観者 / 援助行動 |
研究概要 |
いじめは、その被害児童や被害生徒の学校適応に悪影響を与えるため、学校現場では適切な予防対策が求められている。近年、いじめのグループ・プロセスが注目されるようになり、いじめの被害者と加害者の周囲を取り巻く児童・生徒の存在が明らかになった。そこで、本研究では、直接的いじめと関係性いじめの傍観行動と援助行動に与える影響について集団要因と個人要因という観点から明らかにすることを目的としている。 平成25年度は、26年度の調査研究実施に向けた基礎的研究を行った。具体的には、これまでの先行研究による知見をレビューし、質問紙調査に必要な尺度の収集および作成を行った。また、国内外の研究者とその尺度の妥当性についての検討を行い、研究の対象とする年齢を小学生および中学生から項目内容が理解可能な中学生および高校生に変更した。25年度末に調査対象校を確保したが、時間の確保が難しいため質問紙調査の実施は26年度に設定することにした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初計画していた計画のうち、上記したように前半の課題については当初の計画通りに進展したが、後半の課題である質問紙調査については、いじめ事件の報道により、いじめへの社会的な関心が高まったことで学内的な実態調査が増加し、研究調査協力校の確保が一時的に困難な状況が発生した。そのため、質問紙調査の実施が当初の計画からやや遅れている状態である。 したがって、全体としては「やや遅れている」と判断した。
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今後の研究の推進方策 |
平成26年度は、25年度の研究計画で達成できなかった質問紙調査とそのデータの入力および分析を行う予定である。また、研究計画通りに本研究の結果とこれまでの研究による知見をまとめて学級環境の調整によるいじめ防止対策についての教員用パンフレットを作成する予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
いじめ事件の報道によっていじめへの社会的な注目が高まり、学内的な実態調査が増加したことで、研究調査協力校の確保が難しくなったため、前年度に質問紙調査を行うことができなかった。したがって、調査やデータ入力、分析に関する予算の執行ができなかった。 25年度に実施する予定であった質問紙調査を26年度に行う。それに伴う質問紙用紙およびデータ入力、分析等で25年度未使用額を使用し、26年度分の研究費については教育現場用のパンフレットの作成など計画通りに執行する予定である。
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