本研究は、幼児を説得するときの親のメッセージ方略に、制御適合と呼ばれる自己制御行動の性質を見出すことが目的である。幼児の親に説得的メッセージのフレーミング方略を選択させ、加えて自己制御特性と養育スタイルを測定した。その結果、促進的メッセージではポジティブフレーミングを選び、予防的メッセージではネガティブフレーミングを選ぶ傾向が認められた。また、促進的傾向が見られる親は予防的傾向の親よりもポジティブフレーミングを好むことが明らかとなった。そして、メッセージ方略は養育スタイルの個人差と養育経験の個人差の影響を受けることも確かめられた。以上の結果は、制御適合理論を支持する証拠を提供する。
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