思春期は急激な身体変化を伴う時期である。本研究の目的は,青年の個人要因と社会文化的要因を踏まえながら,思春期の身体発育を契機として不適応行動を発生させるリスクファクターの検討と,不適応行動の予防・抑制に関する要因を検討することであった。その結果,早熟者・晩熟者であることにレジリエンスの低さという個人要因が重なることで不適応行動が助長される可能性が示唆された。また,女子では自分からもしくは声をかけられれば相談できる対象をもつ生徒,男子では声をかけられた時に相談する生徒の学校適応が良好であり,自ら相談できる,あるいは,声をかけられたら相談できる対象を持てることが防御要因になることが示された。
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