研究課題
テストは学力を連続点で評価するほど解像度が高い測定道具ではない。どんなに精度よくテストを作成したとしても10%ほどの測定誤差がどうしても混入してしまう。テストは、学力を5~20段階くらいで評価するくらいがせいぜいの測定道具である。本研究では、学力を段階評価するためのテスト標準化理論である潜在ランク理論を開発・進展させた。潜在ランク理論は、自己組織化マップあるいは生成トポグラフィックマッピングをメカニズムとする統計理論である。潜在ランク理論では、学力を段階評価するために、段階ごとの達成目標であるCan-Do Chartを作成しやすいというメリットがある。本研究では、具体的には、理論的な検証を進めるとともに、ソフトウェアの開発に注力した。また、積極的に共同研究を行い、潜在ランク理論の応用研究を行った。たとえば、潜在ランク理論は、英語教育学や心理学において応用されるようになった。英語教育学では、センター試験とCEFRの関係を潜在ランク理論を通して議論した。その結果、センター試験とCEFRの学力段階が比較可能になった。また、心理学では、潜在ランク理論を用いて心理尺度を構成する研究が行われた。本研究を通して、潜在ランク理論のすそ野が広まったといえる。また、一部の大手予備校が、潜在ランク理論を利用してテストの運用を行うようになり、技術的なサポートを行った。各種の成果は、教育心理学会・テスト学会・日本心理学会等で発表された。
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教育心理学年報
巻: 53 ページ: 147-155
Analysis and modeling of complex data in Behavioural and Social Sciences
巻: 1 ページ: 263-271
http://www.rd.dnc.ac.jp/~shojima/psychometrics/
http://www.rd.dnc.ac.jp/~shojima/ntt/index.htm
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