本研究は児童養護施設において心理職が入所児童とその家族に対して心理的援助を行う際の実践援助モデルを構築することを目的とした。研究1では心理職による家族支援に関するインタビュー調査研究,研究2ではグループインタビューを実施した。その結果,本研究では施設心理職による家族とのかかわり方に関する3層構造(子どもの内的家族像への援助,間接的援助,直接的援助)が示唆された。また研究3の事例研究からは子どもとその家族への支援は,親子それぞれが安心し安全と感じる情緒的距離を探す場となりうること,また子どもが家族との作業をとおして主体性を回復する場として機能しうることが示唆された。
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